勝負の勝ち方をトップモトクロスライダー増田一将から学ぶ

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世の中のトップアスリートの中では競技、大会、レースで常に勝ち続ける人たちがいる。
それはなぜだろう?
その人が持って生まれた才能なのか、努力なのか? 
そもそも才能、努力などの一言で片付けても良いものではないかもしれない。
今回は数々のレースで常にトップの成績を残し続けるモトクロスのトッププロライダー増田一将さんから勝負に勝つためのポイントを聞いてみる。

 

増田一将選手の紹介

日本のトップモトクロスライダーで2009年は年間ランキングで2位になる、スーパー実力者で、HONDAを自分のマシンとするライダーでは国内でNo.1のモトクロスライダーだ。
3歳から3輪バギーに乗り始め、5歳の時にモトクロスを始め、18歳からプロとして現在まで活躍している。
増田さんとは、ブログを通して知り合いインタビューをお願いしたところ快諾していただいた。
この場を借りてお礼を申し上げます。

表彰台の1位に娘をだっこしながら立つ増田選手
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増田選手の走り

以下、増田選手のインタビューです


質問:増田さんがレースへの挑むとき気をつけることがあれば教えてください

レースウィークは、必ずと言って決まった行動をとることを心がけています。
特に、練習の日や休息の日、体のメンテ、移動日などを徹底的に決めて過ごしています。
また、平行して良いイメージトレーニングを出来るだけ多く行っています。

 

質問:レースウイークは具体的にどんな過ごし方をしているのか日別に教えていただけませんか? 

まず、月曜日は通常のトレーニングメニューをこなし 火曜、水曜は軽めのライディングとランニングなど。
水曜日は、体のメンテナンスなどし 木曜日は移動の準備や体の疲労度の再確認。
金曜朝に現地に移動し、土曜、予選。
日曜、決勝。終了次第、帰宅といって感じです。

 

質問:いつ頃からレースウィークは決まった行動をとるようになったのですか、そして理由も併せて教えてください

最初は、何事にもゲン担ぎみたいな感じで行っていましたが、ここ10年ぐらいは決まった行動をとっていますね。
理由としては、毎回同じ行動をすれば抜けもなくなりますし、やり忘れなどもなく自分が納得した状態でレースに挑めるから。レース前に慌しくしなくてすむし。

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質問:レース中に陥りがちな罠ってありますか?

レース中、カッとなってしまうのが罠で、カッとなると力が入りすぎ乱暴になってしまします。
乱暴=ミスに繋がる=転倒などプラスになる要素は一つもありません。

 

質問:レースだとカッとなってしまう原因ってたくさんあると思うのです。最初からカッとなっている人もいるかもと思うのですが、増田さんはカッとなることがダメだといつ頃からどのようなきっかけで知りましたか?

気がついたのは、かなり昔の高校生から分っていましたがコントロールできなかった。
コントロールできるようになったのは最近ですね。カッとなるのは駄目ではなくカッとなっても自分を制御できる自分がいればいくらでもカッとなっていいと思います。
また、気づいたときはカッとなって転倒し大怪我をしたとき。

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質問:レースで勝つために増田さんが注意していることがあれば教えてください

何事も客観的に見る事が大事だと思っています。
例えば、レース後に自分のレースを振り返り文章にする。
文章にする事により反省点が浮かび上がり、次に克服の為のプランが見つかる。
これらを一つずつ潰して、次のレースに挑む。の繰り返しです。

 

質問:増田さんがレースを反省し、改善点を見つけて改善していくサイクルはいつからやっているのですか? 

これは、中学生ぐらいから協力してくださるスポンサーさんに結果表を書き始めた時からですね。
最初は、ただ、レース内容や結果を文章に書いていただけですが、自分のレース(走り)内容を文章で詳しく伝えたいと言う気持ちから、自然に詳しく書き始めました。


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質問:客観視する以外にも自分の精神状態をいい状態にする努力もされてそうですが、どうです?

普段から、車の運転中とかで イライラしないようにしたりしています。
どうしても一瞬イラッとしてしまっても、自分でなだめる言葉をかけ落ち着かせたり、またトレーニング中にツブやいたりし自分を弱った気持ちを震わせたり。
とにかく、自分と話し合う事が大事ではないかと思っています。

 

質問:レースという複数人と競う競技なのに、増田さんの秘訣は自分をいかにマネージするかにつきるみたいですね。これに関してどう思いますか?

競技的に、マシンの性能差よりもメンタル面などが大きく結果を左右してしまいますので、いかに自分と戦いながら相手も多少視野に入れるかといった具合ですね。
どの選手も、自分の走りが出来ればと口にしますが、それが一番難しい。
いかに本番を練習のように走るには、その時と同じ精神状況などを作らなければなりませんので、結局自分が自分をコントロールするしかありません。


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インタビューを終えての僕の解釈

増田さんの勝負に勝つためのポイントを僕は下の3つ感じました。

自分の制御と攻略
複数人と競うレースなのに、一番手強い相手は自分であることがとても共感と感銘を受けた。そして、その自分に勝つ続ける選手がトップライダーとして生き残っていくのでしょう。
そのためにレースは最高のコンディションで臨みたいと思うのも当たり前だ。しかしそのコンディション作りを1週間かけて同じ行動を毎回取るということは、自分自身のコンディションをより深く観察するためには、とても理にかなっているやり方だと納得をした。
増田選手のコンディション作りは体と心の両面を及ぶのだろう。

レース中でのポイントとしては自分を客観視することだと言う,レースという興奮状態になりやすい状況の中でできるたけ自分を落ち着けるとできることなのでしょう。レース、仕事でも何でも自分と自分のアウトプットを客観視できる目というものは非常に大事だと思います。そして増田選手の言葉を聞くと自分の客観視は何を通じても鍛えられるのだと思います。

 

失敗の原因を把握
レースで失敗する原因を的確に把握しているのもさすがです。
しかも高校生のときにレースの失敗の原因に気づいたとは、増田選手は相当前から競技の中で自分との戦いをやっているのだと感じました。
失敗の原因が分かれば解決策も分かってくるのですが、相手が自分の心ということで試行錯誤をして自分の心をコントロールする術を身につけていくのだと思います。それを増田選手は実践しつづけているのですね。

 

PDCA(Plan→Do→Check→Action)の繰り返し
先日、JALの再建を行っている富山さんの著書「会社は頭から腐る」に書いてあったのですが、トヨタなどの素晴らしい会社は素晴らしい戦略があるのではなく、PDCAを愚直に繰り返しているからエクセレントカンパニーになるのだと言う。逆に素晴らしい戦略を描いても、日々のオペレーションでPDCAを繰り返さないと成功はしにくいということが書いてある。
増田選手は中学生のときから自分のライディングを見直し続けているので、相当な回数PDCAを繰り返していることになる。そんな彼と同等のライディングをしようと思うのなら、彼以上に努力してPDCAを繰り返さないといけないのだろう。

増田選手の強さは自分を客観視して、自分をコントロールすることに長けていること、PDCAを繰り返しまくって築き上げた実力、そして、愚直に自分が築いた行動を繰り返しているがポイントだと思う。
本当にプロライダーとして生きている人の生き方には、深いものがあるのだと感じました。

 

増田さんに関連するWebサイト

モトクロスライダー増田一将 公式サイト
増田一将さんのブログ
ホンダ・全日本モトクロスサイト